稲垣新太の人生 第2話

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〜目次〜

序章 低学歴サラリーマンが自由を掴むために使った“ある能力”とは?

第1話 高校生ですが、しっかり人生が狂いました

第2話 音楽廃人の末路 ←今ココ

第3話 搾取され続けるハイスペック社畜の作り方

第4話 弱者が最速、最短、最大に稼ぐ方法

私が音楽の専門学校に入って出した結論

『音楽をやっていたら一生貧乏』

これは絶望の物語です(笑)

だって出会った音楽家全員(先生方や先輩方、卒業生)

「音楽をやるのでいっぱいいっぱい」だということ。

分かりやすく言うと、

彼らはみな「お金がないんですよ。」

超貧乏ですよ、奴ら、、、

もちろん、

音楽理論を学んだり、

プロの技、演奏テクニックも含めて、、、

たくさん衝撃を受けた2年間でした。

何もかもが高水準の世界で2年間学ばせてもらいました。

テクニックだけではなく考え方も、、

自分が音楽とどう接するかなんていう深いことも教わりました。

振り返ってみると

本当に楽しかったですね。

自分より音楽を愛していて

のめり込んでいっていう人がたくさんいましたから。

でも、

音楽をメインで活動を続ける限りは

「一生裕福にはなれない、、、」

という事実を痛感した学生生活でした。

なぜなら、

音楽ってとーーーーーーってもお金がかかりますから。

楽器によってはただ練習するだけでも、

スタジオを借りてやらなくてはいけないので、

お金が毎回1000〜2000円かかりますし

(練習でですよ!?)

ドラムやボーカルなんかはモロにそうです。

機材費もバカになりませんし、

ライブも毎回のようにお金がかかります。

ご存知ですかね?

ライブハウスでライブやるのってすんごいお金かかるんですよ。

一回のライブで30分程度の持ち時間で

1アーティスト3万~4万くらい。

高すぎると思いません?

3〜4万ですよ??

学生からしたらそりゃー大金な訳です。

お客さんを集められれば

その分チケットの売り上げが返ってきますが、

そんなのが返ってくるようになるまでに

普通は何年もかけてファンを増やさなくてはいけないですからね、、、

しかもそれだけ大金払ってライブをやってるのに

全然違うジャンルのバンドとブッキングされまくります。

ビジュアル系ばっかと共演させられたり、

メタルバンドのイベントに無理やりねじ込まれたり、、、

「いやいや、ふざけんなよ!

俺たちメタルでもV系でもねーから!」

まあ、こんなんライブハウスあるあるなんですけどね。

(ちなみに私は割と普通のロックをやっていました。)

そして、極めつけは

ライブハウスの店長の質の低さ。

大体どこのライブハウスにいっても

クズみたいな奴しかいません。

ライブハウスのクズ店長パターンは主に2つ

「今日のライブよかったねー(棒読み)

 また今度、良いイベントあるんだけど出ないー?」

と、心にもないお世辞をして、

すぐに営業をかけてくる

バンドを食い物にしようとするタイプ。

もう1タイプは

「もっとこんな風にアレンジを変えた方が良いぞ。

 客はこういう音楽を求めてるんだからよ。」

と、偉そうにバンドに説教こくタイプ。

親切心でアドバイスしてくれてるだけじゃん。

と思うかもしれませんが、

こっちは金払ってライブやってますからね?

普通にスタッフから見たら客な訳ですよ?

それなのに偉そうにごちゃごちゃ抜かしやがって!

おっと、つい言葉が汚くなってしまいました 笑

ライブハウスの店長って基本的には

バンドで売れることができなかった

センスのない脱落者か、

もしくは趣味を仕事にしてるだけの人なんです。

わざわざ音楽学校に通って

プロから指導してもらってる自分としては

「てめーらの言うことなんか聞く価値ねえよ。」

とライブの度イライラしてました。

実際のところバンドマンなんか

ライブハウスのスタッフどもからしたら

都合のいい食い物ですからね。

あいつら大概クソですよ。

若いバンドマンを食い物にして生活してるゴミです。

たまーに本当に良い店長さんもいたりするんですけどね。

で、そんなバンドマン事情、音楽業界事情を知っていくたび、

「こんな業界で俺はやっていけるのか???」

と疑問が沸いてくるんです。

よくよく調べたり、話を聞くと、

自分があこがれたバンドの中には

全然CDが売れず、「食えてないバンド」も多くいました。

それもものすごくマイナーで

知られていないバンドってわけじゃないんですよ。

音楽業界では知らない人が少ない

有名なバンドがバイトしながら、

ツアー回っていたりするなんてのはまだマシな方で、

借金で首がまわらなくなり、解散

なんてのも良くある話でした、、、

「あのバンドは

自分が本当にやりたい音楽をやらず心を殺して、

売れるための曲を書いてる」

「あのバンドはメンバーをドンドン首にして、

イケメンやかわいい女の子ばかりメンバーに加入させてる」

周りから聞こえてくるのはそんなの噂ばかり。

そして現に商業的に成功するバンドって

そんなやつらが多いんですよ。

当時は『ムカつくな』と思っていましたが

今になってビジネスを学んで見ると

戦略としては間違いないんですよね。

楽器をやってる人にしか分からないコアなロック音楽より

万人が聴きやすいポップスが売れるのも当たり前。

ブサイクが歌うより、

顔がキレイな男女が歌ってる方がそりゃ売れるわ、、、

当時、いろいろ迷っている時に

学校の先生がくれた言葉は

『音楽で食うのは厳しいし、おすすめしない』 でした。

(ちなみに先生方は皆、現役のプロミュージシャンです。)

真剣に悩んでいたので、

真剣に返答してくれたのでしょうが、

残酷な言葉でしたね。

音楽で生活するのは博打みたいなものです。

1回曲が売れたとしても、

次の曲が売れるとも限りません。

一発当てただけでは、

2〜3年もすればまた普通の生活に逆戻りですしね。

(もちろん一回だけでも売れるのは相当難しいことです。)

確かに売れ続けるアーティストも何万分の1という確率であれば、

生まれますし、

仮にそうなれなかったとしても、

全てを承知の上でチャレンジしているのであれば、

悔いも残らないかもしれません。

しかし、私は

『自分が本当に心から素晴らしいと思う作品を作れれば、

音楽でも成功できるはずだ。』

と思って入学していたのです。

ホントバカですね、、、

ですが、現実は残酷でした。

私が憧れたバンドも借金地獄だったり、

そうでなくても、

お世辞にも裕福とは言えない生活をしていました。

『ただ音楽だけはやっていける』という状況です。

それはある人にとっては幸せな生活かもしれません。

自分が納得する音楽を続けていられるわけですから。

ただ、私は

夢破れて借金まみれになってボロボロになった先輩や、

音楽だけを追い求め家庭崩壊の末、離婚してしまった先生、

そういった人たちを間近で見ていて、

「そうはなりたくない」

と気づいてしまいました。

その時、稲垣青年23歳。

すでに専門学校は卒業し、

会社員としてバンドをやっていました。

稲垣青年は一転バンドをやめ、

いよいよ稲垣青年はビジネスの世界に飛び込みます!

第3話 搾取され続けるハイスペック社畜の作り方